スカイ・トラベラー・カードでJALマイルを貯める

スカイ・トラベラー・カードでJALマイルを貯める

ある特定条件下で、JALカード以上にショッピングマイルを貯められるカードが登場しました。

2012年11月にアメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレーテッドからリリースされたアメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード(以下スカイ・トラベラー・カード)です。

年会費は基本会員が10,000円(税抜)、家族会員が5,000円(税抜)と意外に高いです。しかし、高い年会費を上回るメリットが存在します。それは、スカイ・トラベラー・カードを特徴付ける「エアラインご利用3倍ポイント」です。

アメリカン・エキスプレスが定める28社の提携航空会社の航空券、及び、2社の対象旅行会社の指定旅行商品を、日本国内・海外でその航空会社・旅行会社から直接(*1)スカイ・トラベラー・カードで購入した場合、アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード メンバーシップ・リワード®のポイントが通常の3倍貯まります(*2)。

ショッピング利用1件毎に100円につき3ポイントです。このポイントに有効期限はありません。

対象航空会社は、以下の28社。

ばっちり、JAL(日本航空)、ANA(全日空)、スターフライヤー、バニラエラも入っています。

スターアライアンス所属 全日空(NH)、シンガポール航空(SQ)、タイ国際航空(TG)、スカンジナビア航空(SK)、エバー航空(BR)、ルフトハンザ航空(LH)、スイス インターナショナル エアラインズ(LX)、オーストリア航空(OS)、アシアナ航空(OZ)
ワンワールド所属 日本航空(JL)、キャセイパシフィック航空(CX)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、フィンエアー(AY)、カンタス航空(QF)
スカイチーム所属 デルタ航空(DL)、チャイナエアライン(CI)、中国南方航空(CZ)、アリタリア-イタリア航空(AZ)、エールフランス航空(AF)、大韓航空(KE)、ガルーダ・インドネシア航空(GA)、KLMオランダ航空(KL)、エアタヒチヌイ(TN)
バリューアライアンス バニラエア(JW)
非加盟 エティハド航空(EY)、ヴァージン・アトランティック航空(VS)、エミレーツ航空(EK)、フィリピン航空(PR)、スターフライヤー(7G)、エア タヒチ ヌイ(TN)

獲得したアメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード メンバーシップ・リワード®のポイントは、「1,000ポイント=1,000マイル」の移行レートで、下記の提携航空会社15社のマイルに移行することができます。

以下の記事にも描いていますが、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のAviosに移行するのが、びっくりするくらいお得です。

参考:ブリティッシュ・エアウェイズのマイルでJAL特典航空券に交換

アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)、アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードの場合、デフォルト状態だと、2,000ポイント=1,000マイルの移行レートが適用され、「メンバーシップ・リワード・プラス」(参加登録費3,000円[税別])に参加登録して初めて1,000ポイント=1,000マイルの優遇された移行レートが適用されるのですが、スカイ・トラベラー・カードでは「メンバーシップ・リワード・プラス」に参加登録しなくても有利な交換レートが利用できます。

スカイ・トラベラー・カードを利用して、JALのホームページから格安航空券を購入すれば、100円=3ポイント=3マイルとなります。

大変お得なスカイ・トラベラー・カードですが、ネックもあります。ANA以外の提携航空会社のマイルにポイント移行するには手数料がかからないのですが、ANAマイルへのポイント移行については別途参加登録費が必要なのです。ANAの場合、年間5,000円(税抜)です。さらに、ANA以外の提携航空会社のマイルへのポイント移行については上限の設定がないのに対し、ANAでは80,000マイルマイル/年間(1月~12月)という制限があります。

(*1)「エアラインご利用3倍ポイント」が適用されるのは、対象航空会社の航空券をその会社から直接購入した場合です。航空券の「間接購入」となる、旅行会社、旅行代理店からの購入、パッケージツアーの購入、機内販売、通信販売、空港売店、貨物等は対象外となりますのでご注意願います。

(*2)獲得できるポイント数は、年間(1月から12月まで)60,000ポイント上限という制限があります。

スカイ・トラベラー・カードとJALカードを比較

年会費、及び、(ANAマイルへのポイント移行の場合)ポイント移行の参加登録費というコストはかかるけれども、マイル還元率は3%と高いスカイ・トラベラー・カードは、どのようなJALマイラーに相応しいのでしょうか。

その答えは、スカイ・トラベラー・カードとJALカードによる獲得マイルを比較してみるとわかります。

他社便搭乗機会も多いJALマイラー

まず、最初に考えられるのが、JAL以外の航空会社の搭乗機会も多いものの、最終的にはJALマイルへの集約を考えている方です。このような方には、JALカード(普通カード)に加えて、スカイ・トラベラー・カードを持つ2枚持ちがおすすめです。

日本国内には、大島、三宅島、八丈島、稚内、利尻、紋別、中標津、富山、能登、鳥取、米子、岩国、佐賀などANAしか就航していない空港も数多く存在します。以上の空港発着のANA航空券をJALカードで決済した場合、100円=1マイルしか積算されません(ショッピングマイル・プレミアム登録時)。しかし、ANAの航空券を直接、スカイ・トラベラー・カードで決済すれば100円=3ポイント獲得できます。マイルへポイント移行すれば、100円=3マイル獲得できるのと同義になります。ANAの航空券を年間累計200万円購入すると仮定した場合、JALカード決済での獲得マイル数は累計20,000マイル、スカイ・トラベラー・カード決済での獲得マイル数は累計60,000マイルとなり、2枚持ちによる追加コストを考慮しても充分プラスになります。

ANA、キャセイパシフィック航空、中国南方航空、フィンエアーなどの提携航空会社に搭乗する機会が多いものの、最終的には使い勝手がいいJALマイルへの集約を考えている方には、スカイ・トラベラー・カードはかなりおすすめです。

JAL航空券を年間200万円近く購入する方

JALの航空券を年間200万円近く購入する方も一応候補に上がります。

JAL・VISAカード、JAL・MasterCard、JAL・JCBカードの普通カードを保有し、ショッピングマイル・プレミアムに登録した際の総コストは、2,000円(税抜)+3,000円(税抜)=5,000円(税抜)です。JALカードでJALの航空券を購入した場合は、JAL特約店のボーナスマイルが付与されるため、100円=2マイルとなります。JALの航空券購入時はJALカードでも還元率2.0%になるのです。

一方、スカイ・トラベラー・カードの還元率は3.0%ですが、総コストは、年会費10,000円(税抜)+参加登録費9,000円=19,000円(税抜)です。年会費が14,000円(税抜)余分にかかる分のコストを還元率1.0%のプラスで取り返すには、年間14,000÷0.01=1,400,000円(税抜)の利用金額が必要です。年間1,400,000円(税抜)を超過して、JALの航空券を購入する場合は、スカイ・トラベラー・カードの方による獲得マイル数が、JALカードの獲得マイル数を上回ります。

但し、スカイ・トラベラー・カード1枚持ちでは、搭乗マイルは通常のマイルしか貰えません。JALカード(普通カード)会員であれば、区間マイルの10%のボーナス搭乗マイルを獲得できます。

つまり、スカイ・トラベラー・カード会員が、JALカード会員と同様の搭乗マイルをもらうためにはJALカード(普通カード)も取得しておく必要があります。スカイ・トラベラー・カードとJALカード(普通カード)の2枚持ちの総コストは、10,000円(税抜)+9,000円(税抜)+2,000円(税抜)=21,000円。先程と同様に計算すると、年会費が16,000円(税抜)余分にかかる分のコストを還元率1.0%のプラスで取り返すには、16,000÷0.01=1,600,000円(税抜)の利用金額が必要です。年間1,600,000円(税抜)を超過して、JALの航空券を購入する場合は、スカイ・トラベラー・カードによる獲得マイル数が、JALカードの獲得マイル数は上回ります。

しかし、「エアラインご利用3倍ポイント」が適用されるのは、通常ポイントと合計して年間60,000ポイントまでという制限があります。

JALグループ便搭乗機会の多い方は、スカイ・トラベラー・カードよりも、アドオンマイルが100円=1マイル貯まり還元率が3.0%になるJALアメリカン・エキスプレス・カード CLUB-Aゴールドカードや、アドオンマイルが100円=2マイル貯まり還元率が4.0%になるJALアメリカン・エキスプレス・カード プラチナの方がいいでしょう。

なお、以上における損益分岐点の計算方法は、1マイルの価値を1円と仮定した場合のものです。1マイルの価値を2円と仮定すれば、損益分岐点を求める計算式は、14,000÷0.02=700,000、16,000÷0.02=800,000となり、それぞれ半減します。なお、私は1マイル=2円の仮定の方が実情に合っている気がします。